MT4のEAはデモトレードから始める
EAの性能を確かめるにあたり、デモトレードを行うという方法があります。EAが配布される際には、欧米ではほぼ必ずフォワードテストの結果が公開されていますが、日本国内で開発されたEAの中にはバックテストの結果しか公開されていないものも多くあります。フォワードテストはバックテストの結果よりも重要視している人も少なくありません。使ってみたいEAのフォワードテストが公開されていなかった場合には、デモトレードでフォワードテストを行ってください。
また初心者でいきなりリアル口座でEAを行うのに抵抗があるといった場合には、MT4のデモトレードから始めるのがおすすめです。失敗してもあくまでデモトレードなので、資金が減ることもありません。高いレバレッジをかけてみたいという時の練習用にも適しています。デモトレードで感覚を掴んでから、リアル口座での取引に移行するとスムーズです。
MT4のデモトレードとは、仮想資金が用意されており、それを使い本番さながらのトレードを体験することができます。裁量トレードもEA運用もでき、インジケーターなどもリアルトレードと同様の環境でトレードを行うことが可能です。デモトレードでEAの性能を確認したり、実際のトレードの練習をしてみてください。
デモトレードを行うには、利用しているFX会社でデモ口座の開設が必要です。ホームページからデモ口座開設の申請を行えば、かんたんに開設ができます。FX会社によってはデモ口座の利用期限が決まっているところもあるので、利用案内の確認が必要です。
デモ口座でのデモトレードには注意点があります。それはデモ口座での成績とリアル口座での成績には誤差があるという点です。MT4自体の機能や性能に変わりはありませんが、値動きの回数を示すVolumeと4つの価格(始値、高値、安値、終値)を示す四本値に違いがあるからです。
▷Volume・四本値の確認の仕方
- MT4上部のツールバーから「データ」→「ウィンドウ」をクリック。
Volumeに関してはリアル口座の方がデモ口座よりも、値動きの回数が多くなっています。そのためスプレッド(買値と売値の差額)にもズレが生じ、EAの成績にも違いが生じてくるのです。四本値に関して、こちらは全ての値がリアル口座とデモ口座で一致している時もあれば、一部に違いがある時もあります。そうなるとエントリーや決済のタイミングが変わってくるので、トレードにズレが生じます。
加えて、リアル口座ではスリッページ(注文したレートと異なるレートで約定されること)が発生する可能性があります。またスプレッド(取引手数料)もリアル口座では常に変動しています。以上のことから、全く同じ条件でトレードを行っても、リアル口座とデモ口座では取引結果に誤差が生まれてしまうのです。
デモトレードでの結果と全く同じ結果をリアル口座で出すことは不可能ですが、EAがどういったパフォーマンスをしてくれるかを確認するには十分参考になります。バックテストはEAを魅力的に見せるために、意図的にバックテストの期間を調整していることもあります。そういったEAに惑わされないためにも、フォワードテストやデモトレードは重要です。デモトレードはリスクの高いトレードを行う際の練習にも最適です。特に高いレバレッジをかけた取引は、負けた時の損失もかなり大きなものになります。いきなりリアル口座でトレードを行うのではなく、デモトレードで実際に利用予定の資金に設定して、資金の動きを確認しておけば精神的にも安定してトレードを行えます。MT4の機能をうまく活用して、安全なトレードを行ってください。